先日、人生の一番高い買い物(?)、そう家を買いました。
イタリアに住み始めてから今までは、賃貸物件に住んでおり、引っ越し3回を経て、ようやく落ち着ける感じです。
現在では、「一生賃貸の方がお得だ!」という声が多いみたいですが、夫と話し合って、子どももでき、私たちは「家の購入」を決意しました。
そこで今回は、今後イタリアで家を購入したい人向けに、どのような流れで購入していくのかをご紹介していきます。
【こんな人に読んでもらいたい】
- 今後イタリアで家を購入予定の人
- イタリアの家の購入に興味のある人
- 海外の家の購入に興味のある人
イタリアで家の購入までのステップ
私は、日本での家の購入経験がないため、日本との違いを比較できないのですが、イタリアでは、下記の様な流れで購入します。
ステップ1:物件探し

当たり前ですが、最初は物件探しからスタートしますよね。
イタリアで有名な物件検索サイトは下記の3つになります。
主に上記2つのサイトが大手の会社でCMなども流れています。
ここには、不動産会社(ほんの一部、個人)が物件情報をアップしているので、気になる物件があれば、対応している不動産会社に連絡をする事になります。
③のSubito(スービト)では、個人の人が情報を載せている事も多くあり、搭載元が不動産会社なのか、個人なのか確認すると良いです。
一度、不動産会社に連絡すれば、その後は、直接不動産会社とやり取りをすればいいので、物件サイトは、本当に最初の取っ掛かりに使うだけです。
もちろん、利用料は無料ですので、とりあえず調べてみるだけでもOKです。
私たちは、①のImmobiliareの物件サイトから見つけ、不動産会社に連絡をし購入まで至りました。
物件情報が豊富な①Immobiliareか②Idealistaを利用するのがおすすめです。
ステップ2:内覧

物件サイトで気になる物件があったら、不動産会社に連絡を、まだ売りに出ている状態であれば、内覧することができます。
ミラノなどの有名都市では、良い物件は多くの購入希望者がいる場合もあり、人数が多いと内覧できない事もあります。
また、まだ購入はしていないけど、概ね購入予定の場合などもありますので、必ず内覧できるとは限りませんので、この点ご理解ください。
内覧は、私たちも何度も色々な不動産会社の人と行きましたが、正直人によって対応がかなり異なります。
鍵を開けるだけであまり説明してくれない人
情報盛りだくさんで色々教えてくれる人
可能であれば、事前に聞きたいこと、気になる事をメモしておくと◎です。
ステップ3:購入の意思を示す

日本ではどうなのか分からないのですが、内覧後、物件を購入したいと思ったら、まず不動産会社に連絡します。
そこで、希望購入価格も伝えます。
その後、不動産会社が現在の持ち主と価格交渉を行ってくれ、双方が了解する金額に決まっていきます。
尚、自分たち以外にも購入希望者が居た場合、早く価格交渉に入った人の方が有利になるようです。
私たちは一度、価格交渉に出遅れて、物件購入ができませんでした。
気になった物件であれば、速やかに行動することをおすすめします。
イタリアでは(日本も同じかもしれませんが)、最初の物件価格は、少し高く設定されているため、少し値下げ交渉が可能な場合もあります。
購入の際は、自分の希望する価格をはっきり伝えましょう。
あまりにもかけ離れた金額の場合は、不動産会社の人が調整をしますが、許容の範囲内であれば、現在の持ち主に掛け合ってもらえます。
ちなみに、私たちは最初の価格より230万円程度安くしてもらえました。
ステップ4:頭金を払う

価格交渉が済み、現在の持ち主から了解が得られたら、頭金の支払いになります。(ローンを組む際)
私たちは、頭金として購入価格の10%程度の金額を払いました。
この辺の金額は、ローンをどのぐらい借りるかによって多少異なるようで、また、少しなら不動産会社と話し合いで金額を決めれる感じでした。
支払いは、不動産会社で、現在の持ち主の方の銀行口座へ直接その場で振り込みを行いました。
ステップ5:銀行でローン審査を受ける

日本でも同じだと思いますが、銀行のローン審査手続きには時間がかかるため、購入できそうだと分かった時点で、動き始めておいた方がスムーズです。
私たちは、頭金の支払いよりも前に、銀行に行きローン審査手続き依頼を始めていました。
ローン審査が下りるまでは約1か月程度かかりました。
不動産会社の担当者の人にも、銀行のローン審査担当者を紹介しておくと、色々とやり取りがスムーズになりますので、銀行のローン審査担当者が分かったら、不動産会社にも知らせておきましょう。
ステップ6:弁護士事務所へ行く
(↑実際に行った弁護士事務所の会議室)
ローン審査が下りたら、不動産会社に連絡をし、弁護士事務所へ行く日程調整をします。
弁護士事務所へは、不動産会社の人・現在の持ち主・購入者の3者が集まり、契約書へのサイン、契約内容の確認を行います。
全ての工程が終われば、現在の持ち主から、その場で鍵の受け渡しが行われ終了という流れです。
この弁護士さんへの依頼は約€3,000前後が相場で、購入者負担となります。
この費用は、弁護士事務所で支払いを行いました。
少しだけ、金額を抑える方法として、「一部銀行振込・一部現金払い」という払い方をOKとしている所もあります。
不動産会社の方に、この支払い方ができるか確認してみて下さい。
最後に、弁護士さんのサイン入りの住宅証明書的な紙が渡されます。
これは、引っ越し先の役所へ提出しなければならない重要な書類ですので、無くさないように、保管しましょう。
尚、引っ越し先の役所へはできるだけ、早く行くことをおすすめします。
長期間行かないと、罰金ではないですが、遅延代としていくらかお金が発生すると弁護士さんから言われました。
これで、晴れて家購入手続き完了となります。
日本との違い3選
イタリアの家は、日本の様に新築ではない事の方が多いので、色々と違う点もあります。
その中でも、今回は3つご紹介します。
①外壁や内装について
新築でない場合は、外装がやや汚い印象を受ける事があります。
イタリアでは、家(マンションを含む)の外装工事には、役所の許可が必要で、簡単にはできません。
そのため、外装工事が長らく行われていない建物もたくさんあります。
今後の外装工事の予定の有無は不動産会社に聞いてみて良いでしょう。

内装に関しては、マンションであれば、その管理会社の許可を貰えばすぐに開始できます。
ただし、間取りを変更するなど(3LDKを2LDKに変更する・柱を外す等)の場合は、役所への届け出が必要になります。
どんな内装工事をするのかによって、必要手続きは変わってきます。
②間取りの表記

イタリアの物件は日本とは表記が異なります。
単純に部屋が何個あるか、という表記になります。
<例>
日本で言う「3LDK」は、イタリアでは「4 locali(4部屋)」という表記になります。
リビングも1つの部屋数として数えられますので、物件探しの際は、間違えないようにしてください。
また、その物件にガレージやBOX(駐車場)があるのかどうかも確認しましょう。
よくあるのが、BOX(駐車場)購入希望の際は、プラス€15,000などの表記があります。
イタリアでは、路上駐車が多いので、BOX(駐車場)は必須ではない場合が多いです。
ただ、路上駐車だと、いたずらをされたり、雨等で車に傷が付く可能性はあります。
③イタリアの家の特徴
イタリア人に人気の家の特徴として、玄関のドアを開けたらすぐにリビングになるタイプの家が人気の様です。
日本の様に玄関は無く、ドアを開けたら、すぐに部屋という感じです。
土足のままの人も、スリッパ等に履き替える人も、どちらもいる印象です。
また、ある程度の大きさの家であれば、トイレ(バスルーム)が2つある事もよくあります。
内覧時のチェックポイント3選
次に、内覧した際に、チェックしておくと良いポイントを3つご紹介します。
その他にも色々細かいことはあると思いますので、内覧に行く前に、気になる事をまとめておきましょう。
ポイント①エレベーターの有無

イタリアの家は築50年なんて普通にあります。
そのため、エレベーターがないマンションもあります。
また、エレベーターがあっても、後からつけられている事も多く、かなり狭かったりします。
子どものベビーカーを入れるのがギリギリなんて事は普通にありますので、この辺も見ておくと良いです。
ポイント②ゴミ出し
イタリアでは、ゴミ出しのルールが州や市によって少し異なります。
ローマの場合は、道路に誰でも擦れてるゴミ箱があるので、マンションでゴミの管理をすることはないようですが、ミラノの場合は、マンションごと、ゴミ箱があり、そこに住人全員が捨て、決まった曜日に道に出しておく所が多いです。
ゴミ箱の掃除等は、住人はせず、大抵、マンションの管理会社が掃除業者に依頼しているので、その人がきれいにしてくれます。
ただ、この点も不動産会社に確認してみると良いと思います。
ポイント③コンドミニオ

イタリアのマンションでは、必ずと言っていいほど毎月必要になるので「コンドミニオ」と呼ばれる、マンション維持費・共益費・管理費、この辺に関わる費用が発生します。
これは、マンションにより費用は異なりますが、当たり前ですが、中心部ほど高くなる傾向です。
また、高層階の方が高いようです。(エレベーター利用が長くなるためだとか)
この「コンドミニオ」には、何が含まれているのか、事前に知っておくと良いです。
マンションによって、含まれている内容が少し違う事もあります。
「①維持費(清掃代等)②暖房費(共有暖房がある場合)③水道代(冷水のみ)」などが含まれていることが多いです。

「②暖房費」については、イタリアでは概ね10月or11月頃から3月頃まで共有の暖房が入ります。
この費用は、使用量により異なるため、翌年度に、前年度使用分の調整が入り、多く徴収していれば、今年度の「②暖房費」は少し安くなり、少なく徴収していれば、今年度の「②暖房費」は少し高くなるイメージです。
しかしながら、通常は、多めに徴収されているので、その分翌年度コンドミニオの費用が調整されます。
ですので、コンドミニオ費用は、毎年多少前後します。
まとめ
今回は、イタリアで家を購入する際の流れやポイントをご紹介しました。
私たちは、家の購入まで色々と見て考えて約1年かかりました。
また、現在は終了してしまっているのですが、2023年9月までイタリア政府は35歳以下の若年層の家購入を促進するため、キャンペーンを行っておりました。
今回は、これを利用して、通常よりも少しだけお得に家を購入することができました。
今後、この様な制度がされるのかは不明ですが、気になる方は、政府の制度もチェックしてみると良いです。
【家購入までのステップ6】
ステップ1 | 物件探し |
ステップ2 | 内覧 |
ステップ3 | 購入の意思を示す |
ステップ4 | 頭金を払う |
ステップ5 | ローン審査を受ける |
ステップ6 | 弁護士事務所へ行く |
【日本の家との違い】
1 | 外装&内装 |
2 | 間取りの表記 |
3 | 家の特徴 |
【内覧時のチェックポイント】
1 | エレベーターの有無 |
2 | ゴミ出し |
3 | コンドミニオ |