ここでは、げんきⅡの教科書の内容を教える際に、実際に私が学習者さんから質問があった事などをまとめています。
これが全てではありませんし、絶対ではありませんが、実際にレッスン中に感じたこと、聞かれた事をピックアップしてまとめていますので、教案作成の参考にしてもらえれば幸いです。
日本語教師なり立ての方や、初めてげんきを使って教える人の役に立てると嬉しいです。
尚、ここに記載している内容は、私が実際に日本と、イタリアで教えている(いた)生徒さんとのレッスンで気づいた点や聞かれた事です。
レッスン形態としては、プライベートレッスンやオンラインレッスンが中心になります。
時
第十六課で混乱が生じやすいのが「時」です。
一見そんなに難しそうではないですが、現在形なのか過去形なのかで混乱する人がいます。
【例】
①京都に行く時、お土産を買います。
②京都に行った時、お土産を買います。
この2つの文は、何が違うでしょうか。
①と②だと、お土産を買う場所が違いますよね。
①だと、京都に行くまでのどこかでお土産を買って、それから京都に行きますが、②は、京都に着いてから、京都でお土産を買うという意味になります。
「時」の前が、辞書形orた形で意味が変わってきますので、ここをきちんと伝える必要があります。
1つの例だと分かりずらかったり、理解しきれない可能性がありますので、何個もこのパターンの例文を出して、伝えていくと良いと思います。
【例】
①家に帰る時、友達に電話します。
②家に帰った時、友達に電話します。
※どこで電話をするのかが違います。
後は、辞書形なのか、た形なのか穴埋め問題みたいにしてみるのも良いと思います。
ここが、すぐにクリアできる人は少ない印象です。
その時は分かったつもりでも、次のレッスンの時に、混乱してしまう人もいます。
また、教える際に、先生も混乱しやすい場所ですので、先生が混乱しないように、事前にきちんと整理してから、レッスンをするようにしましょう。
実際、レッスンの時になると、生徒さんから質問され、てんぱってしまい、そのせいで先生が混乱してしまう何てこともあります。
レッスン中に分からなくなってしまった時は、潔く「次回のレッスンで、また勉強しましょう」と伝え、その日は、あまり考えすぎないほうがいいです。
~てすみませんでした
この文型自体は、「て形+すみませんでした」とシンプルなため、そんなに難しい事はありません。
しかしながら、ここで生徒さんから質問を受けることがあるのが「日本人は、いつも謝っているが、どうしてか」という内容です。
もう、これは日本の文化、日本人の心なのだと思います。
最近、ミラノにあるショッピングセンターに行ったとき、店員さんの対応が日本とかなり違うなと感じました。
レジに行ったら、表示されていた金額とレジで言われた金額と異なっていたため、その旨を伝えると、店員さんは「レジの金額は、これだから」って感じで、対応してもらえませんでした。
日本なら、商品が置いてある場所に行って表示金額を確認して、「申し訳ございません。実際は、こちらの金額になりますが、よろしいでしょうか。」などの対応があると思います。
こんな感じで、日本では、謝る事で誠意を見せて相手の気持ちに寄り添うような文化があるのかもしれませんよね。
なので、この「て形+すみませんでした」を練習する時、まれに「謝りたくない」という人がいますが、これは、日本の文化で、謝ることで互いの仲が保たれることもあるんだ、という事を伝えると良いかと思います。
げんきⅡの教科書にある「て形+すみませんでした」の練習は、生徒と先生、という設定で練習問題が作られている箇所があります。
もし、プライベートレッスンで相手が社会人の方であれば、ここは設定を変更した方が無難かもしれません。
お店の店員と客、恋人同士、夫婦など、社会人の人の周りにありそうな設定に変更した方がいいでしょう。
第十六課・読み書き編
読み書き編は、主に漢字学習になるので、漢字を勉強したい人のみ使用することが多いです。
ただ、この第十六課では、ドラえもんについての読みものが付いています。
時間が余ったり、漫画が好きな生徒さんだったら、ちょっと触れてみてもいいかもしれません。
漢字を勉強していない人には、読めないものがあると思いますので、読むのではなく、ドラえもんを切り口に、漫画について話してみたり、日本のアニメについて話してみたりするのも、生徒さんが楽しく会話ができる可能性があります。
毎回毎回、文法・練習のみだと、刺激が少ないので、たまには、トピックを変えたり、会話をたくさんするレッスンをしてみるのも楽しいでしょう。
プライベートレッスンだと、その人によって進め方を変えることができるので、柔軟に対応していくと生徒さんの満足度アップにもつながると思います。