国際結婚に憧れを頂いている方も多いのかもしれませんが、実際してみると、恐らくほぼ全員が何かしらの苦労をしていたり、一時は大変な時期を経験していると思います。
これは、国際結婚に限らず、日本人同士の結婚でも同じかもしれませんが、国が違うという事で、より問題が複雑になったり、分かり合えなかったりすることもあります。
私自身国際結婚をしていますが、そんな事はよくあります。
そこで今回は、厚生労働省が発表している「人口動態調査」の結果を元に、実際の数字を見て行きましょう。
また、なぜ国際結婚は離婚率が高いのか、その理由や原因も、自身の経験を踏まえてご紹介します。
尚、今回は、2021年(令和3年)の最新のデータを参考にしています。
人口動態調査の結果は、翌年の9月に発表になりますので、2023年4月の現時点では、2021年のデータが最新となります。
2022年の結果は、2023年の9月に発表予定です。
【こんな人に読んでもらいたい】
国際結婚の現状について知りたい人
今後、国際結婚の予定がある人
国際結婚の離婚率について知りたい人
2021年厚生労働省「人口動態調査」の結果
2021年の人口動態調査から、データを抜粋してみました。
婚姻・離婚 | 総数 | 夫婦とも日本人 | 夫婦の一方が外国人 | 夫日本人×妻外国人 | 妻日本人×夫外国人 |
婚姻 | 501,138 | 484,642 | 16,496 | 9,814 | 6,682 |
離婚 | 184,384 | 175,992 | 8,392 | 5,778 | 2,614 |
日本人同士の離婚率は約36.7%なのに対して、一方が外国人の場合の離婚率は、50.8%と、ほぼ半分が離婚している事になります。
また、日本人男性×外国人女性の離婚率は58.8%とかなり高い割合で離婚しているようです。
尚、前年の2020年のデータでは、日本人男性×外国人女性の離婚率は68%でした。
国別に比較|国際結婚離婚率
離婚率の前に、そもそもどこの国の人と結婚しているのでしょうか。
夫日本人×妻外国人の国際結婚カップル
2021年(令和3年)のデータでは、3,072人が中国の方と結婚しています。
2021年(令和3年)のデータでは、1,780人がフィリピンの方と結婚しています。
2021年(令和3年)のデータでは、1,284人が韓国の方と結婚しています。
妻日本人×夫外国人の国際結婚カップル
2021年(令和3年)のデータでは、1,561人が韓国の方と結婚しています。
2021年(令和3年)のデータでは、1,049人がアメリカの方と結婚しています。
2021年(令和3年)のデータでは、903人が中国の方と結婚しています。
やはり、中国・韓国とお隣の国が多いのですね。
では、今度は、離婚率を見て行きましょう。離婚率も、結婚している国ベスト3で比較していきます。
夫日本人×妻外国人の国際結婚の離婚率
中国 | フィリピン | 韓国 | |
婚姻 | 3,072 | 1,780 | 1,284 |
離婚 | 1,962 | 1,687 | 805 |
フィリピン人との離婚率が、ものすごく高いですね。驚異の94.7%です。
数字が間違っているのかと、何度も確認しましたが、数字はあっているようです。
日本人の方で、今後フィリピンの方と結婚を考えている方、改めて考えて見るといいのかもしれませんね。
妻日本人×夫外国人の国際結婚の離婚率
韓国 | アメリカ | 中国 | |
婚姻 | 1,561 | 1,049 | 903 |
離婚 | 588 | 295 | 336 |
妻が日本人の場合は、おおよそ平均(日本同士の離婚率)程度です。
同じアジア人の方が、欧米人とよりも離婚率が高いのが、意外でした。
アジア人同士の方が、分かり合えるのかと思ってのですが、そうでもないのが現実の様です。
国際結婚の離婚率が高い理由や原因
数字での離婚率が分かったところで、今度は、国際結婚の離婚率がなぜ高いのか、その理由や原因を考えていきましょう。
私自身も国際結婚をしているので、普段感じる事や経験なども混ぜてご紹介します。
①コミュニケーション
これは、語学の問題だけでないと思います。
「空気を読む」とか「常識や通念」とか「阿吽の呼吸」とか、一言で言うのが難しいのですが、やはり、育ってきた環境が違うので、相手が自分の思っている事とは、異なる発言や行動をする時はあります。
私自身も「え?そうなるの?」なんて事もあります。
それが、どれだけ受け入れられるか、違いを楽しめるか、がポイントなのかもしれません。
②生活習慣・食生活の違い
最初のうちは、違いを楽しんでいられるので良いのですが、一緒にいる時間が長くなると、やっぱり「嫌だな」「違うな」と思う事が出て来ます。
私だって、夫に思う事はありますし、夫だって私に対して色々思っている事があるのが現状です。
でも、これは、受け入れるしかないんだと思います。
結婚するまで、全く別の国・環境で育ってきているので、急に、結婚後、一緒に生活ができるわけがないんですよね。
もし、受け入れるのが難しいなら、お互い別々の行動をしたり、食事をしたりしたっていいと思います。
私も、夫とは時々、別の食事をしたりしています。
結婚したからって、100%一緒の行動、食生活を送る必要はないと思います。
そうやって、妥協もしていくと、少し気持ちが穏やかになれるかもしれません。
③宗教に対する向き合い方
これは、難しい問題ですね。
私の夫は、キリスト教徒なので、毎週日曜日は教会へ行きます。
子供も、有無を言わさずキリスト教徒になります。(まだ、小さいので今後)
私自身は、これに対して特に反対の意見はないのでが、人によっては、宗教がすごく日常生活に影響している場合もあるようですので、中々、受け入れるのが難しい時もあるのでしょうね。
少しセンシティブな事ですが、できれば結婚する前に、話し合っておくと良いのかもしれません。
④家族に対する価値観の違い
これも、私自身、すごく違いを感じている一つです。
日本人って、割と相手との間隔を保つタイプなんです。
家族であっても、義理の両親などには、やはり少し遠慮したり気を使ったりするのが、普通だと思います。
でも、ヨーロッパの人は、割と人との距離が近いので、ズバズバと自分の領域に入って来られている印象を持つ時があります。
これは、本当に、その国の感覚や文化の違いであって、お互いがお互いの国の事を理解し合わないと、上手くいかなくなる事が、安易に想像できます。
国際結婚の離婚手続き時のチェック事項
国際結婚の離婚となると、日本人同士の離婚よりも、やや複雑になり確認する事が増えます。
事前に、ちぇっくしておくとより手続きがスムーズに進むでしょう。
どこの国で結婚が成立しているのか
離婚手続きをする前に、どこの国で結婚している状態にあるのかの確認をしましょう。
一つの国だけで婚姻の手続きが成立していて、もう片方の国で婚姻が成立していないという事はあり得ます。
その場合は、結婚をしていない状態なので、離婚手続きは必要ありません。
子どもの連れ去り
離婚となると、子どもの連れ去りが発生する場合もあるようですが、国際結婚の場合、ハーグ条約の規定により、日本から外国人が子どもを連れ去った場合、外国に住んでいた日本人が日本に子どもを連れ帰った場合は、子どもの返還を求めて訴訟される可能性があります。
(参考:ハーグ条約 外務省)
離婚後の子どもの国籍
国際結婚の場合でも、片方の親が日本人ならその子どもも日本国籍を取得できます。
通常は子どもが生まれてから3カ月以内に、日本の自治体役場、または大使館等に「出生届」を提出すれば手続き完了です。
まとめ
今回は、国際結婚の離婚率のデータを元に、なぜ国際結婚の離婚率が高いのか、その理由や原因も見てきました。
現在、離婚を検討されている方、是非、専門の弁護士さんにお願いするなどして、手続きがスムーズに行くようにすると良いでしょう。
また、今後国際結婚をしたい方、する予定の方、あくまでも数字のデータですので、あまり怖がらず、相手ときちんと話し合っていけば、解決することも多いです。
ですので、あまり悪い印象を持ち過ぎないようにしてくださいね。