ワーホリ、つまりワーキングホリデーをご存知ですか。
多くの国は30歳までの若い人に対して1年~2年の間ワーキングホリデーというビザを発行してその国に滞在し仕事をしたり、遊んだり、勉強したりすることができる、素晴らしい制度の事を言います。
※年齢・期間は国によって多少異なります。
私は27歳の時、イギリスのワーキングホリデー(厳密にはYMS・ユースモビリティースキームと言います)に当選し2年間イギリス・ロンドンに住んでいました。
ただ、この時期、日本では正社員で働いておりましたし、お付き合いしている彼氏もおりました。
正直27歳~29歳の2年間、イギリスに行くべきかすごく悩みました。
そこで今回は、これから海外へ特にワーホリを使って行こうと考えている人に向けて、私が感じた実体験をご紹介していきます。
ワーホリに興味を持ったきっかけ
そもそも私は学生時代にカナダに留学をし、海外に住んだり仕事をしたりすることに漠然と憧れを持っていました。
英語が吐出してできたわけではありませんが、ある程度はできたので、英語圏で長期的に住み続けたいと、本当に漠然と思っていました。
単純に「漠然」と海外っていいなぁ~って思っていたんです。
でも、大学卒業後は日本企業へ正社員として入社し、日々ストレスとの闘いで、ただただ何も考えず仕事をしていました。
今思えば、その仕事が好きとか嫌いとかそんな感情はなく、平日は仕事、花金は飲みに行く、土日はゴロゴロ又は、遊びに行く、みたいな感じでした。
これが「ゆとり」って言われるのかな。
とりあえず、将来に関して、そんなに真剣に考えていませんでした。
しかしながら、常に「漠然」と海外へ興味を持っていたので、時々、どうしたら海外に行けるのかを調べていました。
そんな中知ったのが「ワーキングホリデー」という制度でした。
当時は26歳ぐらいだったと思います。
まだ、年齢的にもほぼ全部の国に行けるということが分かり、一気に夢が膨らみました。
※2021年10月現在、日本国籍をお持ちの方は全26か国へ行くことが可能です。
ここから、「ワーキングホリデー」について調べ始めて、イギリスのYMSへ応募する流れになるのです。
なぜ、留学じゃダメなのか
単純に、過去に2度短期留学をしたことがあり、短期留学の良い点と悪い点を知ってしまっているから、と言ったらいいかもしれません。
私が感じる短期留学の良い点は、「海外で自由に楽しくのびのびと生活ができる」という事だと思います。
長期留学は、がっつり大学や専門学校へ入学することになるので、勉強が大変で「楽しくのびのび」とはいかないと思いますが、短期留学だと、語学学校へ入学することが多く、語学学校はたくさんアクティビティーやイベントがあったりするので、「楽しい」が先に来るんです。
ただ、悪い点は、「留学ビザだと、働ける時間が制限されていたり、学校への出席率が管理されたりする」という事です。
つまり、留学で来ているので、あくまでも勉強がメインという事なんですよね。
だから、留学ビザを持っている人は、自由な中でも制限があり、当時社会人となっていた私からすると、また学生に戻った気分になり、留学はしたくないと思ったんです。
ワーキングホリデーでは何ができるのか
基本的に、なんでもできます。
学校に通って勉強してもOK、仕事をフルタイムでしてもOK(国によっては制限あり)、何もしなくてもOKです。
仕事もどんな職種についてもOKです。
これは、かなり夢のようなビザです。
だから魅力があるんですよね。
海外で仕事を探す際、結構「既にビザを持っている人のみ応募可」という求人が多いです。
でも、ビザを取ることがまず難しいので、応募することすらできないんです。
しかし、ワーキングホリデーのビザは、基本的には、年齢さえクリアしていれば誰でも取得することができます(※イギリスは抽選になります)
ですので、「既にビザを持っている人」に当てはまることになり、海外の求人へ応募できるようになるんです。
と言っても、全部の求人に応募可能ではないのが、ワーキングホリデーの悲しい所です。
実際ワーキングホリデービザの有効期限は1年の国が大多数です。(イギリスは2年です)
そのため、企業はたった1年しかビザがない人を雇いたいと思わないんです。
狭き門にはなってしまいますが、現実はこんな感じです。
でも、ビザがない人は、何もできない事が多いので、まず有効なビザがある、という点は強みになります。
これが、ワーキングホリデーの現実です。
周囲の反応
ワーキングホリデーに行くって言った時の、周囲の反応ですが、私の周りは割と理解のある方、海外に興味がある方が多かったので、「いいね」「おめでとう」「羨ましい」などの肯定的な反応が多かったです。
しかし、ワーキングホリデーに行く人って多くは20代半ばぐらいの人が多く、日本での生活を一旦全てストップして、海外に行くことになるわけです。
20代半ば
正社員で働いて、仕事も多少軌道に乗ってきて、プライベートでは付き合ってる人もいて、両親には「そろそろ将来の事考えたら」なんて言われる時期だったりしますよね。
そんな中、日本での生活をストップして、たった1年だけ海外に行く価値は、どれほどあるのか、ここを思う人は多くいると思います。
ここがワーキングホリデーに行くかやめるかの天秤にかかる所でもあります。
更に20代後半になって来ると、この問題はより重く感じることでしょう。
ご自身だけでなく、周囲の方も。
ワーキングホリデー → 海外で働ける → キラキラ
みたいな感覚はありますが、実際は「キラキラ」そんなにしていません。
ワーキングホリデーは結構大変なんです。
自分の心の迷い
私自身、イギリスYMSに当選した時は、嬉しかった半面、戸惑いがありました。
幸いイギリスは2年間滞在できるので、他の国のワーキングホリデービザと比べるとかなり条件は良かったです。
それでも、当時は正社員として働いており、お付き合いしている彼もおり、本当にこの日本の生活をストップしていいのかどうか、とても悩みました。
当時の彼氏にイギリスYMSに当選したことを伝えた時、彼の第一声は
「おめでとう。絶対行った方がいいよ」
でした。よく覚えています。
でも、その後、何度も2人で自分たちの関係について話し合いをしました。
2年間日本にいないのに、付き合い続けることは可能なのか。
恐らく、海外に行く私はハッピー、日本に残る彼氏は不安な生活になるんじゃないか。
お互いの気持ちにずれが生じるんじゃないか。
などなど、話し合いまくりました。
また、当時正社員として働いており、今ここで日本でのキャリアを捨てて、海外に行くことでどんなメリットが自分にあるのか。
2年後帰国した際に、日本で就職は可能なのか。
果たして、イギリスに行っても仕事は見つかるのか。
そもそも日本で行ってきた仕事は、イギリスで役に立つのか。
圧倒的に「不安」しかありませんでした。
実際に過ごした2年間
「不安」がますます膨らむ中、YMSの登録期限は待ってくれません。
現在は少しシステムが変わっておりますが、当時は、メールをもらってから期限以内にイギリス大使館へ出向いて、手続きをしなければいけませんでした。
そのため、「不安」を抱えながらも、時は待ってくれず、事務処理がどんどん進んでいったのです。
今思えば、本当に行く決心なんてついていなかったんだと思います。
時が経って、気づいたら飛行機に乗っていた、というのが正しい表現かもしれません。
空港には、当時付き合っていた彼氏が一緒に来てくれましたが、これから海外に行く側はワクワクとドキドキでポジティブですが、日本に残る側は、不安と悲しみに包まれしまうという事がわかりましたので、お付き合いしている人にお見送りを頼むのは、控えた方がいいかもしれません。
当時の彼は、空港で大泣きをしたそうです。
私はというと、もう日本の生活は一旦切り離して、イギリスでどうにか成功することしか考えていませんでした。
振り返れば、イギリスで過ごした2年間は、とっても有意義に過ごせて、たくさんの思い出ができ、自分自身も成長ができ、本当に行けてよかったと思います。
ただ、これは、2年間をどのように過ごしたかが問題なんですよね。
私は、2年間無駄にしたくない、という気持ちを常に抱えて過ごしていましたので、いい経験と感じられているのだと思います。
実際に、私がイギリスにいた間、何人ものYMSの人が半年~1年程度で帰国していきました。
これは、思い描いていたのと実際のギャップが大きくて、気持ちが付いていけなくなったという人が多かったです。
イギリスは総じて、天気が悪いです。雨というよりもいつも曇り、どよ~んとしているんです。
なので、中々気分転換という事ができず、一旦落ち込むと戻るのが大変なんです。
日本では、こんな仕事ができたのに、イギリスではウエイトレスしかできない
英語が思ったよりできなくて、仕事にありつけない
物価が高くて貯金が無くなった
友達ができない
日本人とばかりつるんでいる
単純にイギリスが合わない
日本食が恋しい
ホームシックになってしまった
ルームメイトと気が合わない
などなど。
理由は色々ありますが、こんな感じで帰国しちゃう人は多かったです。
これからワーキングホリデーに行く人へ
ワーキングホリデー、行く前はキラキラしているように見えますが、実際ワーキングホリデーを満喫できた人は、しっかり現実をわきまえており、その中で自分がやれることを最大限にやっていたんだと思います。
これから行く人へ、一番言いたいことは、ワーキングホリデーに行っても日本より良い生活は待っていないという事です。
日本人なら、日本で生活するのが一番いい生活ができると思います。
特に20代で海外に行くんですから、まだ経験だって未熟、知識だって未熟、こんな中見知らぬ国に急に行って、華やかな生活が待っているわけがないんです。
でも、ワーキングホリデーに行くことで、自分の知識・経験が、日本にいるだけよりも広がる事は間違いないと思います。
ワーキングホリデーは、基本1年間のみです。
たった1年ですので、この時間をどう過ごすかは、事前に考えて色々な心構えをしてから、飛びだってください。
ちょっと厳しいかもしれませんが、これが現実です。
良い事はたくさんありますが、良い事の前に大変なことが待っていると思ってください。
大変だったからこそ、その向こうに良い事がまっているんです。
是非、大変な時期も気落ちせず、少し踏ん張ってく見てくださいね。